招福の舞

招福の舞 二座

 この神楽は、恵比寿様(事代主命:ことしろぬしのみこと)が鯛を釣るおめでたい舞です。

 始めに恵比寿様が左手に釣り竿を持って登場し、静かな海で釣り場を探し、鯛を釣る舞をします。

 この鯛を横取りしようと、ひょっとこ(枉津日神:まがつひのかみ)が登場します。はじめのうちはなかなか捕れません、やっと捕ったかに見えますが結局、恵比寿様は枉津日神ごと鯛を持って帰ってしまいます。 

 ひょっとこが鯛を捕ろうとするところの舞がたいへん滑稽にできており、この神楽の見せ場であります。

 

 「古事記」では、事代主命は、大国主命(おおくにぬしのみこと)の子で、国譲り(天照大御神ら天津神(あまつかみ)が、大国主命ら国津神(くにつかみ)から葦原中国(あしはらのなかつくに)=日本国を譲り受ける説話→三神和合の舞)の際、父神に国を譲ることを勧め、その旨を使いの武甕槌命(たけみかづちのみこと)の返答した(その時、船で海に出て釣りをしていた)とされています。

 また枉津日神は、伊邪那岐命(イザナギ)が黄泉から帰って川の中で身体を洗い禊をしたときに、祓った黄泉の穢れから生まれた神で、災厄や凶事を司る神とされています。

 出囃子 事代主命 下り破

       枉津日神 おかざき

 

舞囃子 事代主命 しょうでん

    枉津日神 おかざき

 

入囃子 おかざき