三神和合の舞

三神和合の舞 三座

 この神楽は、「古事記」に記された国譲り(天照大御神ら天津神が、大国主命ら国津神から葦原中国=日本国を譲り受ける)の神話を基にしています。 

  始めに、大己貴命(おおむなむちのみこと:大国主命(おおくにぬしのみこと)の別称)が右手に御扇、左手に太刀を据えて登場、次いで経津主命(ふつぬしのみこと)が手に剣を手に持って登場、最後に武甕槌命(たけみかづちのみこと)が鉾(ほこ)持って登場します。

 冒頭、一寸した争いが起きますが、すぐに収まり、大己貴神が懐に持っていた巻物を経津主命が受け取って武甕槌命に渡し、和議(国譲りの交渉)が成立します。

 その後、三神が揃って扇を手に舞い、世の公平と平和を祈ります。

 

 大国主命(おおくにぬしのみこと)は、国津神の代表的な神で、須佐之男命(すさのおのみこと)の娘である須勢理毘売命(すせりびめのみこと)と結婚し、少名毘古那命(すくなびこのみこと)と共に天下を治め、葦原中国(あしはらのなかつくに)=日本の国作りを成し遂げました。

 しかしその後、高天原(たかあまのはら)からの天照大御神の使者に国譲りを要請され、対話と武力を交えた交渉の末に国を譲ることとし、その見返りとしてかつて須佐之男命から賜って建立した「富足る天の御巣の如き(天まで届くほどの高さの)」壮大な宮殿(出雲大社)を修復させ、祭神に納まりました。

 経津主命は、国譲りの最初の交渉が失敗に終わった後、高天原の神々が相談して次に遣わすべき神として選ばれましたが、その時、武甕槌命が進み出て、「経津主命だけが大夫(ますらお、雄々しく立派な男神)で、私は大夫ではないというのか」と抗議したため、共に国譲りの交渉に向かうことになりました。経津主命は千葉県香取市にある香取神宮の祭神、武甕槌命は茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮の祭神です。 

 

出囃子 大己貴神 下り破

       経津主命、武甕槌命 早笛

 

国譲りの場面 下り破

 

舞囃子 黒

 

入囃子 大己貴神 下り破

    経津主命、武甕槌命 出羽